家具を噛まないためのトレーニング

イヌは物を噛んで、歯や歯茎、あごの健康を保ちます。
単に楽しくやっている場合もありますが、新しく歯が生えてくるときの炎症や痛みを和らげたり、不安やストレスを解消するためにも噛みます。
また、物をくわえて運んだり、何か確認するために噛むこともあります。
つまり、イヌは自分の周りにあるものをすべて、「ちょっと噛んでみようかなぁ」と思っていると考えてよいでしょう。


~イヌが物を噛むのは、あたりまえで必要なこと~

私たちが本を読んだり、テレビを観るのと同じように、イヌにとって身の回りにあるものを噛むのは、暇つぶしのとき、またひとりで楽しむときのいたって正常な行動と言えます。

そのため、何も教えなければ、たとえ高級な家具であってもイヌは悪気なく噛んでしまうでしょう。大切なのは、噛む行動を全て止めさせるのではなく、噛んでも良いものだけを噛むように教えることです。

噛まれては困る物を噛ませない

まずは、噛まれては困る物にイヌを近づけないようにしながら、決まったオモチャを噛む習慣を身につけさせます。
“犬部屋”を作ります。1畳程をサークルで囲み、その中に、クレート・トイレ・新鮮な水・食べ物を詰めた噛むオモチャを2~3個置きます。オモチャ以外には、イヌが噛める物を一切置かないようにしてください。

飼い主が外出するときは、イヌをこの犬専用の部屋に入れます。このように、子イヌの行動を制限することで、飼い主の大事なものを噛まれてしまうことを防げるだけでなく、他の場所での排泄の失敗を防ぐことができます。

イヌをひとりにしても、大切な家具を噛まれる心配はありません。

サークルの中だけど、大好きなフード入りのコングとならひとりで遊ぶのも楽しみのひとつとなります。

噛むオモチャを好きになってもらう

噛むオモチャを噛むことが好きになれば、靴や机の脚など他の物への興味が少なくなってきます。
イヌがオモチャを噛んでいるときに「いい子だね~」とほめてあげましょう。また、隠して探させる、引っぱりっこするなどして一緒に遊んであげるとさらにオモチャが好きになるでしょう。

噛むオモチャの種類とレシピ

噛むためのオモチャは、壊れにくく、中が空洞で天然素材のものにしてください。飲みこんでしまわないために、サイズに迷ったときは、大きめのサイズのものを選んでください。オススメは、天然ゴムでできたコングなどです。

1日にあたえるフードを量り、それを2~3個の噛むオモチャに分けて詰めます。少し手間がかかりますが、噛むオモチャが大好きになって、他の物を噛む心配がなくなるまで、食事は食器からではなく、噛むオモチャに入れてあたえてください。もしくは、トレーニング中にごほうびとして手であたえてください。
イヌが成長したら、乾燥肉や乾燥骨、またガムなどの固いおやつをあたえてもよいでしょう。ただし、あたえ過ぎないように注意してください。

オモチャレシピ

基本メニュー

ジャーキーやチーズなど、ワンちゃんの好物をコングの奧に詰めます。残りの空いたところにぬるま湯でふやかしたドライフード、または手作りフードを細かくしたものを入れます。さらに、これを凍らすと中身が一度に出てこないので、ワンちゃんも長い時間をかけて楽しむことができます!

スペシャルメニュー
~基本メニューでは食べてくれないワンちゃんのために~

コングの内側にクリームチーズ、レバーペーストなどを塗ると効果的!(ただし、これらの食品はイヌにとって塩分が強すぎるので、なるべくイヌ用のものや減塩のものを選び、できるだけ薄く塗るようにしてください。)
また、ワンちゃんが大好きなおやつでコングに蓋をし、その上にクリームチーズを塗るといった方法も効果あり。このスペシャルメニューでワンちゃんが積極的にコングを噛むようになったら、基本メニューに近づけていきましょう!

噛むオモチャを噛むようになって、トイレの場所がわかるようになったら、部屋の中で自由に過ごさせることができるようになります。