コマンドトレーニング

いくつかのコマンドに従えることは、人だけでなく、イヌが安心して生活するためにとても重要なことです。コマンドトレーニングをするために、フードやごほうびを用いる方法は、簡単で効率が良く、子どもをはじめ、誰でも習得することができます。


まず初めに、1日分の食事量のドッグフードを量り、容器に入れておきます。
その1日分のフードを1粒ずつごほうびとして使ってトレーニングすれば、食べ過ぎてしまうことはありません。

オイデ

「オイデ」と呼ばれて一目散に飼い主の元に来るイヌを見るととても賢いイヌに見えますよね。これは、「オイデ」と呼ばれたときに飼い主のところに行くと良いことがある経験を何度も積んだため、イヌは喜んで飼い主のところに走っていくようになったのです。

普段はそんな経験がないのに、ドッグランで他のイヌと遊んでいるときや地面の匂いを嗅ぐことに夢中になっているときに限って、突然「オイデッ!!」と怒鳴られても、イヌはとても飼い主の元へ行く気にはなれないでしょう。

「オイデ」をマスターするには、「オイデ」と言った後にフードをイヌの鼻先に差し出して自分の元におびき寄せます。近くまで来たら首輪を握ってフードのごほうびをあげます。何度か繰り返すと、フードを見せなくても「オイデ」のコマンドだけでそばに来るようになるでしょう。

来たときはごほうびをあげると同時に、「いい子だね~」などと声をかけて十分にほめてあげましょう。このとき、たとえイヌが1回の号令に反応しなかったとしても、「オイデ、オイデ」というように、号令を何度も繰り返さないようにしてください。

飼い主が号令を繰り返してしまうことで、イヌは「何回か呼ばれたら行けばいいやッ」と学習し、1回の号令で従わない癖がついてしまいます。このようなときは、1回の号令で確実に来るようになるまで再度フードで誘導しながらトレーニングしましょう。これは、全てのコマンドトレーニングにおいていえる注意点です。

「オイデ」の方法

何も教えてないのに、ただ「オイデ」と遠くから叫ぶだけでは、イヌは来てくれません。まずはフードを子イヌの鼻先に差し出して自分の元におびき寄せるようにしましょう。

家族で広い輪を作って、イヌを真ん中に置いて、交互に「オイデ」と呼び、呼んだ人のところに来たらフードをあげてほめるゲームをすると良いでしょう。呼んでいない人の元に来た場合は、近づいてきても無視をします。このような練習をすることで、特定の家族の「オイデ」にだけ従うという問題を防ぐことができ、誰に呼ばれても喜んで行くイヌになります。

オスワリ

オスワリの教え方は、イヌの鼻先にフードを差し出し、「オスワリ」と言ってから、そのフードを鼻の上を通って後ろの方にずらしていきます。イヌがおやつにつられて上を見上げると、自然とオスワリの体勢になります。オスワリしたら、「いい子だね!」と言ってフードを1粒あげます。

イヌが飛び上がってしまう場合は、おやつの位置が高すぎるのでしょう。イヌが後ずさりしてしまう場合は、部屋の隅で練習すると良いでしょう。

フードを見せながらできるようになった後は、フードを持たずに手の動きだけで誘導します。最終的には、号令だけでオスワリできるようにします。そして、玄関を出る前、信号待ち、人と挨拶するときなど、生活の様々な場面でコマンドを出して練習するようにしましょう。

フセ

「フセ」と言ってフードをイヌの鼻先から前足の間まで下ろします。イヌがフセの体勢になったら「いい子だね!」と言ってフードをあげます。オスワリの体勢からフセをさせるほうが簡単にできます。

なかなかフセの体勢にならずにお尻があがってしまう場合は、床に座って脚を立ててトンネルを作り、イヌをその中に通すようにするとフセの体勢に誘導することができます。そして、手にフードを持っていなくても、手を下に下ろすハンドシグナルでフセができるように練習し、最終的には号令だけでフセができるようにしましょう。

マテ

オスワリやフセの合図が理解できたら、次にその体勢を維持させることを教えることで、日常のあらゆる場面でより便利に使うことができます。

マテの意味を教えるには、初めはオスワリやフセをした瞬間にほめてフードをあたえます。そして、2秒、3秒、5秒、8秒、12秒、30秒、60秒・・・というように、徐々にフードをあたえるタイミングを遅らせていきます。待たせている途中でイヌが動いてしまう場合は、待たせる時間を少し縮めてもう一度やってみましょう。マテのトレーニングを早く確実に進めるコツは、延ばす時間を極力少なくして少しずつステップアップすることです。

フードを使わないようにしていく

トレーニングの最初の頃は、フードを2つの目的で使用します。
1つ目は、オイデ・オスワリ・フセといった行動を誘導するためのルアーとして、2つ目はイヌが正しく反応できたときのごほうびです。

フードで誘導してオスワリやフセができるようになったら、次はフードを持たずに手を動かしてみましょう。正しく反応したらごほうびとしてフードをあたえます。このように、ルアーとしてのフードを使わずに、「号令」→「ハンドシグナル」の順で指示を出す練習を繰り返します。最終的には、号令だけでも反応できるようにします。

ごほうびとしてのフードも徐々に減らしていきましょう。合図の意味を覚えてきたら、ごほうびとして毎回フードをあたえる必要はありません。フードをあたえる代わりに「いい子だね~」といったほめ言葉をかける、また頭をなでる、おもちゃで遊ぶ、ボールを投げる、といったイヌにとって楽しいことをごほうびとして利用することで、フードがなくても反応できるようになります。